アナウンスデビューを終えて
ユウセイアナウンス講座受講生の松下翔と申します。
この度4月9日・日曜日に大阪、高槻市の萩谷総合公園サッカー場での、なでしこリーグ2部第3節「コノミヤ・スぺランツァ大阪高槻対スフィーダ世田谷FC」戦、そのスタジアムDJを担当させていただきました。
まずはこうしてお仕事を終え、ブログ原稿を書くことができているのも、様々の方のご協力があってのことです。寺西先生をはじめ、受講生の方々、そしてスぺランツァ大阪高槻スタッフの皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。
スタジアムDJの内容は、場内のお知らせ放送、スポンサー企業の紹介、試合前の選手紹介、試合中の選手交代アナウンス、試合後のインタビューになります。去年スタジアムDJの担当経験のある先輩から台本を見せていただき、自分の背筋が凍りつきました。
一体この原稿はどのトーン、テンポでアナウンスするのだろうか?スタジアムDJのアナウンスの役割、つまりどんな環境でスタジアムDJのアナウンスが行われているのだろうか?という不安が次々と沸き上がりました。
言うまでもなく、講座の木曜日後の週末は、なでしこリーグの名鑑を買ってなでしこリーグの会場に足を運びました。
そこでのDJさんの声の使い分けを勉強させていただきましたそしてスタジアムDJがサポーターから注目されるところは試合前、最中のアナウンスではないでしょうか。いかに来ていただいた方を盛り上げることができるか。選手紹介でのアウェイチームとホームチームの使い分けはもちろん、一番印象的だったのがホームチームのゴールアナウンスです。スタジアムも一番盛り上がるところで、それをさらに引き立てるのがスタジアムDJ。「ゴール!」コールの後の「ただいまのゴールは○○↑○○選手でしたぁっ↑」のアナウンス。○○選手でしたの後の拍手が、DJがサポーター盛り上げた何よりの証拠でした。
前回分の台本を読み込んで、次の木曜日の講座では簡単なリハーサル。メインは原稿読みなので、次の頭で音が低くならないことに注意するなどのアドバイスを受けました。
本番の台本が届いてからはとにかく読み込みを繰り返しました。
当日の朝も読み込みを行って会場入りしました。
当日の結論から申しますと、無事に終われたかというと、かなりギリギリな結果でした。
本番の緊張感というものを存分に体験しました。何もかもが初めて、プレッシャーというものをもろに受け、足はガクガクに震えました。
もう少し上手く終われるにはどうすれば良かったのかというと、準備になると感じました。現場で活躍されている方は、本番は準備で決まるとおっしゃっています。本当にその通りだと実感しました。練習でできたことが本番でできるとは限らないからです。不測のことが必ず起こります。
練習では何でもなかったところで息が苦しくなり、あげく噛んでしまいました。
当日、アナウンスはすべて屋外で行いました。当然風が吹きます。原稿もしばしばめくれます。一瞬どこを読んでいるのか忘れかけたことがあります。次のページに行くのに手間取り変な間が空いたこともありました。
自分の声がマイクを通してどれくらい響いているか、そっちに気を取られると噛みました。
最初のミスについては全ての文に区切りを入れていれば問題なかったはずです。逆に初めに練習で噛みまくって、ルビを強引にふったところは噛みませんでした(注・原稿を読む仕事ですから当たり前のことですね)。
とにかく、原稿をもらって、これでもかというほど万全を期すのは基本ということを身をもって知りました。
次に準備の質が不足していました。
選手交代のアナウンスは原稿がありません。テンプレートはあるのでそれにチーム名、選手名を当てはめるということになります。そこで私は自作の選手表の下にそのテンプレートを書くことにしました。ただその字が少し小さかったです。文字の丁寧さがそのまま言葉にも表れ、発音が不明瞭になりました。
また試合開始の時刻が近づくに連れて、資料や文房具が散乱してしまいました。こういうところにも心の乱れが増すものです。資料をいかにシンプルにまとめるか、いっそのこと資料に頼りすぎないように事前に刷り込むほどの準備が必要ではないかと思いました。
本当に初歩的なミスが多く出てしまいました。ただ読んで覚えるだけが準備ではないのです。本番で自分に余裕がない状態でも落ち着く、手助けになるような準備をすることが大切です。
試合終了後は、1-0でコノミヤ・スぺランツァ大阪高槻が勝利したので、キャプテンの石川優選手、決勝ゴールの神谷育実選手、眞中靖夫監督にインタビューを行いました。インタビューは講座で1度したのですが、インタビューする側が緊張しておりました。まだまだです。質問内容などインタビューの準備ももう少しできなかったのかと反省しています。
初めてのアナウンス業務は苦い経験ばかりでしたが、すぐに改善できることも多かったです。次回ではそれ以上のパフォーマンスができるように本当の準備をして臨みます。もちろん日々のアナウンス技術の練習も忘れずに。
どうぞよろしくお願いいたします。