「9月29日講座内容」
9月29日の講座は5名で行われました。
レベルも、今メインで行っている競技も様々な5名ですが、だからこそ様々な競技の実況が聴けます。
そして参考にすべきポイントや共通する点が見つかります。
第三者の観点から実況への率直な感想等も言うことができますし、逆の立場ならその感想は貴重なアドバイスになります。
そう、この日は実況練習を軸とした実戦練習がメインでした。
といっても基本が大事。合間には母音を中心とした発声練習をしっかりと行いました。
そして前半はサッカー実況の振り返り、そして後半は競馬実況の振り返りとなりました。
サッカー実況では試合中はもちろん、試合前やプレーの小康状態時における話題、解説者とのやりとりが議題になっていました。
解説者の話すところ、そして自分が話を進めるべきところの差し引き・塩梅の難しさを感じていたようです。
この方は前回、解説とのやり取りが上手くいかず、相槌を打っただけで終わってしまうのが課題でしたが、今回は内容をくみ取ってもう一歩踏み込んだ話や質問が出来ていました。
しかし、そこからプレーの内容等も鑑みながら、自分で話をまとめるべきか、解説にまとめてもらうべきか。話の”まとめ”に新たな課題が見つかりました。
アドバイスでは「自分がまとめないと、なんとかしないと、という思いが強すぎても話のふくらみがなくなる」とも言っていました。
解説の方が話しやすい部分、さらに話題の中心にしていることが深掘りすることにより試合を面白くするのかを意識に入れて、試合とリンクさせながらのやりとり。
いざ実行するとなると決して簡単ではないですが、この意識はスポーツ実況ではとても大事です。
私も自分で話をすると長く、止まらないタイプですので、常に会話の際には”自分が気分よく”より”相手が気分よく”を念頭に、相手を、そして聴く方を意識したいものです。
そして、私の競馬実況を皆様に聴いてもらいました。
この日は寺西先生に加え、三宅きみひとアナも参加していましたので、競馬実況の大先輩であるお二人に聴いてもらい、貴重なアドバイスをもらうことができました。
まずは、「先頭争いしている馬を前から順に捌くこと」。これは当たり前ではあるのですが…。
直線でどうしても外から追い込む馬に勢いがあるので、前にいる馬を完全に交わしきってなくても追い込んだ馬を追いがちです。
しかし内外が離れていることの錯覚、ペースや馬の実力によって前の馬がそのまま頑張ることも往々にしてあるのです…。
一度勝負圏外だと思った馬が急にまた名前を呼ばれたりすると、聴いている方は混乱します。果たしてどんなレースだったの!?と。
ですので、ちゃんと前から馬を追うこと。
もう一つは、「言語をシンプルなものに置き換えること」
どの位置にどの馬がいるかを順に紹介する際、助詞でつないだり、馬群の状況を説明しようとするあまり、長くてくどい言語を使用してしまうことが多くあります。
これは私の普段の言語活動が悪い形で出ていると感じました。話が長く、詳細に伝えようとしてより長くなりがち。その割にあまり詳しくなっていない…。
そう、「シンプルイズベスト」。
短い方が受け手もわかりやすいのです。
短い言葉で追っていく方がリズムも出てきます。競馬であれば短距離でも焦らず馬を追うことができます。
シンプルにした分、レースを盛り上げる言葉や語句で肉付けをしていき、”馬が走っている”迫力やスピードを感じられる実況を目指します。
私のほかに、もう1名競馬実況を目指す方が参加。
この日初めて人前で実況を披露しました。
そして普段はサッカー実況がメインの方も競馬実況にチャレンジ!
馬の名前は難しいものも多いので、発音発声の練習にもなりますし、色々実感することも多かったようです。
とこんな風に様々な競技の実況で、様々な部分を垣間見れる。そして同じ「スポーツ実況」として共通する沢山のことがある。
それを学び知ることができる。
こうした実践練習の日にはそんな気持ちをより高く持って受けることも大事だと思います。
ちなみにこの日の課題を数日後の競馬実況練習で早速取り組み、難しいところ、手応えを掴んだところと様々。
一つ一つ焦らずに、今後も取り組み続けたいと思います。
「スポーツアナウンサーの独り言」by受講生SM君