【受講生ブログ】実況での反芻について
ヤギや羊、牛などが何かを食べているわけでもないのに、口をもぐもぐさせていることがあります。これは効率よく消化するために、一度飲み込んだ食べ物を再び口に戻して噛み直す行動です。 そこから転じて、何度も深く考えたり、繰り返し思い起こすしたりするのを「反芻はんすう」と言います。今回は、実況中の「反芻」についてです。
先日、私は解説の方との実況中継を行いました。一人実況であれば、プレー描写や選手情報を織り交ぜながら話を自分のペースで進められます。しかし、解説の方がいらっしゃる場合はそうはいきません。解説の話すタイミングもありますし、話を引き出す質問を振ったり、息を合わせるのも中継として大切になります。
今回、私が特に悩んだのは「解説への切り返しや質問の仕方」でした。
たとえば、解説の方が「スペースの使い方が上手いですね」とおっしゃったとします。シンプルに「どのあたりですか?」と聞き返すこともできます。しかし、その時の私は「話題にあがったスペースがどこなのか、自分の言葉で補足しなければいけない」「スペースを活かす利点まで先回りして考え、『〜ということですよね?』と言語化して確認しなければいけない」と思い込んでしまったのです。
その結果、解説の言葉を脳内で「反芻」することに必死になり、言葉が出るまでに時間がかかったり、解説の意図とはズレたまとめ方をしてしまったりすることがありました。視聴者にとっても実況と解説のテンポが良いに越したことはありませんし、会話が噛み合わないと試合の状況が伝わりにくくなってしまいます。解説の話を深掘りするのは自分の中で反芻して行うのではなく、質問を重ねて視聴者と共に理解を深めていくのがシンプルかつ伝わりやすい実況になります。
原因は「自分が話の整理をしなければいけない」と思いすぎたことです。
脳内で反芻して咄嗟の返答が遅れてしまうくらいなら、よりシンプルな質問でテンポよく会話を繋ぐ方が良いと今回の講座を通じて、そのことに気づかされました。反芻に時間を取られると、話を深掘りできないだけでなく、目の前のプレー描写まで遅れてしまいます。
今後は、質問はシンプルかつ短くしてテンポを生み出し、時間を作れるようにしていきます。またできた時間で「未来につながるプレー描写」や「次の展開の予測」を伝え、視聴者の方々がより試合を楽しめるような中継を目指していきます。
2026年10月26日 15:59