10月23日受講生ブログ
11月に入ると気の早いものでクリスマス商戦が始まります。クリスマスにはプレゼントがつきものですが、プレゼントは開けてみるまで中身は分かりません。インタビューにも似た部分があります。簡素な包装で箱が小さいからと言って中身の価値を推し量れる訳ではないように、質問を投げかけ返ってくるまでどんな返答かは分かりません。自分では「いい質問!」と思っていても相手にはピンと来なかったり、自分では有体な質問だとしても相手は嬉々として答えてくれたり。本当に何がどう返ってくるかわからないものです。
ですが、プレゼントとインタビューの違いはインタビューの場合はある程度の対策と予測が立てられることにあります。
対策と予測の一つの方法として「こちらでインタビューの道筋を作りすぎない」があります。考えてきた質問に「こう返ってきたらいいな。そしたらこっちの方向で話を広げるのにな」とインタビューの流れを予想します。勿論、質問回答質問回答といくつかのパターンを考えておくのは大切です。ですが、自分の望む方向性に固執しすぎるのもよくありません。よく耳にする質問方法ではあるのですが、インタビューの際に「~だと思いますが」との聞き方をしました。しかし、それは相手の考えと異なる方向性だったのです。このような場合、相手も自分とは違う考え方を提示されるので答えづらくなります。主観を減らし、客観的に見てどうだったのか。データを活用し事実としての質問を考える。この反省点がシーズンを通して大きくありました。
またもう一つの対策と予測の手法として「相手ファーストになる」ことがあります。
これにはいくつかの意味があります。一つ目はその人ならではであること。二つ目は相手優先であることです。
その人ならではの質問は、ピックアップマッチのアライバル選手インタビューで特に考えさせられました。選手の特徴だけでなく、対面となる選手、マッチアップは誰になるのか。この試合ならではの面白さを提示できる質問をする考え方が足りていませんでした。その選手個人にフォーカスするのは多くあれども、対面までは考えきれていなかったのです。ただ、その指摘から質問の幅も広がりましたし、一層試合に対しての解像度も上がっていきました。
また、相手優先であることについては直近のヒーローインタビューで強く感じた内容です。よくヒーローインタビューはこの選手が選ばれた理由を考えて質問を組み立てる、と言います。今回に関してはラストワンプレーで同点に追いついたこともあり、質問の中心に選手を据え、この人の視点でどうだったのか、にこだわった質問に絞れば良かったと今では考えています。
インタビューにおける予測と対策は今回挙げた例以外にも数多く存在します。予測と対策の方法をふやしていけば不測の事態にも対応できるようになっていくと思います。何がでてくるか分からない不安感もありますが、何がでてくるか分からないからこそ出てきた相手の言葉を聞き楽しんでインタビューできるように研鑽していきたいです。