2月6日受講生ブログ
1月30日のアナウンススクールは諸事情により、休講。
先週2月6日、2週間ぶりにアナウンススクールが行われました。
私は、ちょうど直前の週末に、Bリーグ実況(京都ハンナリーズvs秋田ノーザンハピネッツ)を担当いたしましたので、その中継を振り返っていただきました。
試合内容は、ゲーム1はオーバータイム(延長戦)の熱戦を京都が勝利、ゲーム2は秋田が第3クォーター30-16の逆転勝利と見どころ満載の2日間でした。
さて、実況の振り返りは、いかにも「両チームの激しい攻防!」というそのハイライトとは別のシーンにスポットを当てます。
というのも、私の振り返りのあとに、先輩アナウンサーのバスケットボール実況の振り返りも行ったからです。
常々、私はそのアナウンサーの実況について、聞き心地の良さを感じています。
・バスケットボールのスピードにマッチした実況のリズム
・プレーの動作と実況の描写のタイミングが同時である(いわゆる後追い実況でない)
といったことが、おもな理由です。
今回のアナウンススクールでは、聞きやすさの一つとして、次のフレーズを取り上げました。
「ボール変わって、Aチームのポゼッション」
AチームがBチームからボールを奪って、Aチームの攻撃に移った、という描写です。
バスケットボールは短時間で攻撃するチームが入れ替わる競技です。
行ったり来たりを繰り返して、実況の主語も入れ替わりが繰り返されるわけです。
そんな状況でもきちんと実況が場面転換を伝えれば、視聴者も現在のシーンを把握しやすくなるというわけです。
内容は、簡単かつシンプルですが、非常に奥が深いものです。
いろいろなことができる実況者は、場面転換の際に意識して、
「攻撃するチームが変わったぞ。主語が変わったことを明確にしよう」などと考えて、実況はしません。
攻撃するチームが変わった際には、
「ゴール近くにはそれぞれ選手が何人いるか、フリーになっている選手はいるか、守備に戻る選手は誰か、キープレーヤーはどこにいるか」など、さまざまな事に目を向けています。
だからこそ、切り替えが起こったとしても大事な場面を逃さずに描写できるわけですね。
少し聞いたところだけでは何でもないような事でも、それを的確に自然に伝えることができる。
その積み重ねによって、最高のラストシーンが描写できる。
様々な場面の実況に耳を傾け、土台の強化を図ります。
松下 翔