3/28「第三者目線は本当に気付きが多い!」
今回は私、三宅秀一郎が久々に担当です。講座の冒頭、今回は久々に私の競馬実況を聞いてもらうことになりました。
3/24に中京競馬場で行われたGⅠレース、高松宮記念。このレースは競馬における短距離のカテゴリーである1200m、70秒足らずの戦い。中京は最後の直線が430mほどあるのですが、それは道中馬や展開を紹介できる距離が800mもないことを意味します。
ペースにもよりますが、おおよそ馬は200mを10~13秒くらいで走ります。概算にはなりますが、馬が200m12秒で走るとすると直線(400m)で24秒。先ほどこのレースは70秒足らずと記しました。70-24=46秒。なおこのレース18頭の馬が出走します。「18頭を紹介しつつ、(ラジオ実況なので)なるべく展開がわかるような言葉も入れて」という作業を46秒でしなければという、数あるレース条件の中でもかなり難易度の高いものです(だと思っています)。
さて、実際のレース実況。スタートして暫くすると、先行勢の4頭ほどが横並びに。特に外の馬は視認が難しく、時間をロス。焦りはありつつも、やはり展開は入れたい。中団くらいまで捌いたところで、半分の600mを何秒で通過したかを入れて、直線入った辺りでなんとか一番後ろの馬へ。しかしこの時気づいていました、「フォローできなかった馬が居る」
直線入口でその馬はまだ中団でしたが、勢いがありました。瞬時にその馬をフォローしたのち、あとはもう必死で先頭争いを追い、無我夢中の内にゴール。ゴール後は2頭の接戦の行方を見守りつつ、レースを振り返りますが、結果としてコースの内側を走った馬が上位を占める結果に。
一通り見てもらったところで皆様から様々な意見を頂戴しました。
まずはやはり「早口」ということです。当然限られた時間で多くの馬を捌かなければなりませんし、勢いのまま直線も捲したてるような形になりました。しかし競馬を毎度見ているわけではない人からは「早くて正確に聞き取るのは難しい」。うーん、耳が痛い。早く、正確に、何より聞き取りやすい、全てを成立させるべく工夫・改善に努めます。
続いては、一番大事なゴールの瞬間。聴いている側はやはりゴールしてすぐ1・2着馬の名前が知りたいですよね。私は今回最後の数秒、粘る馬と迫る馬、名前よりも迫る様子を表す言葉を並べてゴールに入り、その後3着馬の名を先に呼び、その後に1・2着馬の馬名を「どちらが勝ったか!?」という形で呼びました。接戦の興奮に入り込むあまり、大事な「基本情報の伝達」が疎かになっていました。これは以前からずっと私の課題なのですが…。重賞(GⅡ、GⅢ)でもそれなりに興奮状態になってしまうので、GⅠだとその容量を無意識にオーバーしてしまうようです。熱い状況を熱く、はもちろん冷静な、俯瞰できる心・脳の容量を空けておきたいところ。これは日々のレース実況でしっかり意識して鍛えていきます。
その他にも、レース後の振り返りにおける“言葉遣い”や言い回しも指摘がありました。競技にもよるのかもしれませんが、「強い言葉での言い回し」はやはり聞いていて必ずしも“プラスの気持ち”にはならない、ということです。勝者がいれば敗者もいます。無理に寄り添うことはしなくても、どちらにも「リスペクトの気持ち」を忘れず、やはり普段の言動により注意せねば、と改めて感じました。
先ほどから、「日々」とか「普段」て使ってますが、本当に常日頃から意識して、無意識にできるようになるまで落とし込むしかない!と思うことが多いです。
そして何よりこれらの指摘は、自分では気づいていないものも多いのです。自分に対する俯瞰の目は大事だと思いますが、やはり限界がある気がします。第三者からの指摘は大事だなぁと、忘れたころにこうしてまた再認する講座でした。
2024年04月11日 11:16