10/5講座ブログ「初のNPB実況(ファームですが…)」
去る10月4日、初めてNPBの実況を担当致しました。タイガースの2軍が本拠を置く、西宮市の沿岸・阪神鳴尾浜球場で行われた
「阪神タイガースVS社会人野球近畿地区選抜」のプロアマ交流試合でした。
このお話を頂いたのが試合のほぼ1週間前、とにかく事前から緊張…。そして鳴尾浜には行ったことが無かったので、事前取材も兼ねて“ロケハン”にも行きました。また試合の数日前には社会人野球の登録メンバーも発表され、そこから急いで一人一人の調べられうる情報を調べました(本当に丸1日かかりまして…やれやれです)。もちろんタイガース側もファームの選手中心に成績等諸々の資料を制作、さらに昨年プロアマ交流試合を担当した方や、その他色々な方にご協力頂きながら当日を迎えました。
当日は、担当の方が大体顔見知りで(制作スタッフもBリーグでお世話になった方が数人…)そこは安心、緊張も少しは和らぎました。それでも慣れない場所で慣れない行動。時間が合わない状況もあったとはいえ、当日の取材はほぼ出来ず…。ただ、偶然にも制作スタッフのお一人が元プロ野球選手!という幸運に恵まれ(タイガースのとあるコーチと現役時同じチームで、色々お話をされてました)、そのこぼれ話を聞くことができ、それを放送時に様々活かせたのは本当に良かったです(何よりこぼれ話で話題に上がったその選手が活躍してくれたからこそですが…)。
肝心の試合ですが、作った資料、そして高校野球等での経験を活かし、とにかく我武者羅にやるのみでした。テーマとしては、社会人はやはりプロの前でのアピール(ドラフト直前の最終アピールとなる選手もいたことでしょう)。さらには11月から始まる社会人日本選手権への調整というのが挙げられました。タイガース側は選手個々のテーマや立場はありますが、登録枠が広がるCS・日本シリーズへのアピール。特に1軍を幾度か経験した選手にとっては、晴れの舞台へ再び、という目も出てきます。またケガから1軍復帰への調整の場という意味合いの選手もいました。
こうしたところを意識しながら、残暑の強い日差しの中、屋根なし、バックネット裏スタンドに置かれた簡易事務机の即席放送席で、スコアラー役を務めて下さった職員さんとフロアディレクターさん、音声技術さんと共にチームで進めていきました。
全て喋り終えた時には、途中の色々なミスが頭をよぎりつつ、終わったという大きな達成感がありました。
当日聞いてくださった方や、その翌日の当講座などで振り返ってもらい感想等ももらいました。言い回しや用語の誤った理解や使い方は、恥ずかしく、意識して改善!ということになります。やはりNPBの実況ですからより細かな理解や正確な表現が求められます。このあたりは日々の野球をもっとじっくり突き詰めてみていき、様々な有識者の見識や見解を見聞きして自分の知識に取り入れていきたいです。
また、やはりタイガースの配信チャンネルでやっているということからも、よりCSや1軍を意識した実況を出していきたかったところ。この日先発の富田蓮投手は開幕当初1軍のリリーフとしてプロ初勝利も上げ、この登板のおよそ1週間前には1軍で先発もしていました。内容によってはまさにポストシーズン1軍で…という可能性もある選手。今年の数字や直近の登板の内容などをより積極的に用いて、盛り上げていくことができたのでは、という指摘(自身も痛感しております)も頂きました。
とにもかくにも貴重な経験が終わりました。
これをこの経験で終わらせることなく、野球はもちろんですが、様々な競技に活かしてステップアップした姿で、より聴取者に届く、競技を楽しんで頂けるような実況を目指します。
三宅 秀一郎
2023年10月23日 14:39