不安と甘えと経験を積むこと
今年もはや5ヶ月が過ぎようとしています。春も終わり季節は梅雨となりましたが、何か今年新しい事を始められた方もいらっしゃると思います。
初めてのことに挑むとき、皆さんはどのような心持ちで挑まれるでしょうか。ワクワクしながら挑戦する方もいれば、失敗を恐れて及び腰になる方もいらっしゃると思います。
そもそも、日本人は遺伝子レベルで「不安先行型」という「新しい事に挑戦する決断をする時、まず不安がくる」ものだそうです。それでいて人は挑戦したい生き物である事が立証されています。
「不安であるのに挑戦したがる」とはなんという矛盾。
その不安を抱きながら挑戦すると、何とか無難に済ませようと考える人もいると思います。かくいう私も「初めてのことは失敗だけはしないように心がけよう」と考えていました。ですが今回、その様な甘い考えではいけないと思い知ることとなるのです。
今回はルヴァンカップのリポートを担当させて頂きました。
まず結果から述べますと、「反省」よりも「後悔」の多い結果となってしまいました。
ではなぜそのような結果になったのか。原因の一つは「最低限やらなければならない部分が、出来なかった」ことにあります。
「最低限」とは、前もって教えて頂いていた事であったり、確認・相談すればわかる事であったり、前回は出来ていたりした部分です。要は落ち着いて対応すれば対処できた事なのです。ですが「出来るはずのことが出来なかった」。だからこそ後悔の多い結果となりました。
例えば、外国籍監督の場合人にもよりますが通常、インタビュアー質問→質問通訳→監督返答→返答通訳となります。そこを、あらかじめ1問目の質問を伝えておくことで実際の収録中に一問目の通訳を挟むことなく進められます。インタビュアー質問→監督返答→返答通訳となり、短い質問時間を有効活用できるのです。このように頭では分かっていても、行動に移せないことが何度かありました。
これは落ち着いて出来なかったのが一つの要因なのですが、その根本には不安故の行動や心理がありました。不安故に「下手に動いてはいけない、人の邪魔をしてはいけない」と思い身動きが取れず、結果、確認不足や相談不足を引き起こす。また、「今回は初めてだからとにかく失敗しないようにしよう」と委縮してしまう。
ですが、実際とるべき行動は逆で「不安だからこそ、動いて確認や相談をし安心材料を増やしていく」ことが大事だと講座内で学びました。
恐らく、本番を迎える度に不安はつきまといます。ですが、その不安を減らすためにしていくのか。またどう本番と向き合うのかを考えさせられました。今回の出来事はこれからも忘れることなく礎にしていきたいと考えています。安全圏で仕事をしないこと。有り体に物事を進めないこと。勝負をするためにも、自分で安全材料を増やすこと。基本的な事ではありますが、その重要さを再認識しました。
2023年05月31日 21:51