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Jリーグ実況デビューを終えて

2023年3月5日、DAZNにて配信された明治安田生命JリーグJ3開幕節、奈良クラブ 対 松本山雅FCでJリーグ実況デビューをいたしました。
 
奈良クラブにとっては奈良県初のJリーグクラブとして記念すべき初戦、そして松本山雅FCにとっては昨年の悔しさを晴らすべく霜田監督新体制で臨む開幕戦。
両クラブにとって大事な一戦を担当させていただけたこと、大変光栄に思います。
また現地に詰めかけた両クラブのサポーターの熱量はすさまじく、声出し応援が戻ってきたこともあり、その迫力を肌で実感することができました。
 
さてそんな白熱した展開の中で自身がどう伝えていたかを振り返ってみると、様々な反省点が見えてきます。
特に気になったのは声量。
落ち着いたシーンでの実況で時折聞き取りづらくなっていました。
緊張していたというのもありますが、何を伝えるべきかしっかり取捨選択できず、選手追いに終始し伝える内容が一定になり、声が張れなくなっていたように思います。
 
ではどうすればこの課題を解決できたのか。
後日レッスンで見逃し配信を見ていただいた際に、一人実況に関しては自分のペースを作ることが大事であるとアドバイスしていただきました。
選手の情報やチームの歴史、ここまでの試合展開やサポーターの姿…いろんな選択肢がある中で、やや落ち着いた展開の時に実況主導でテーマを引き出し提供することでペースを作っていく。
もちろん選手追いが最も大事ではあるのですが、テーマを伝えることは視聴者だけでなく、実況者自身がワクワクすることに繋がります。
実況者がワクワクすることでおのずと声量は上がってくるのです。
 
「大事な試合、しっかり伝えなければいけない」
こういったメンタリティで試合に臨んだのですが、結果的に緊張が増し視野が普段よりも狭まってしまいました。
「どこに矢印を向けて実況をするべきか」ということを以前レッスンで学んだのですが、本来向けるべき視聴者やクラブ以上に自分の出来に対して矢印を向けてしまっていたように思います。
プロとして仕事を全うしようとする意識は大事なのですが、その試合を楽しむこと、その楽しさをみなさんに発信する意識をもっと強く持って今後の実況に臨んでまいります。