8月25日アナウンススクール内容
この夏はいかがお過ごしでしたか。女子サッカーではU-20W杯準優勝、そして高校野球と若い力が躍動した夏だったなあと感じています。
講座終わりにかつてJ3でインタビューを担当していたU-23の若手の選手たちが今どうしているのか、他のチームでも頑張っているな、なんてことを選手名鑑を見つつ語り合ったりもした今週の講座です。
このように、若者を眩しく感じたり、すぐに思い出話をしてしまったりするのは年を重ねた証拠かもしれません。年を重ねること自体は何も悪い事ではないのですが、弊害もあります。
最近、どうにも思考が停滞していたり、凝り固まっていたりするように感じます。
一つは、思考の停滞。
これはあってはいけないことなのですが、本番中にミスをしてしまいました。すると「次は気をつけないと」「ミスは忘れて次に集中しよう」と切り替える方向に思考が向きます。しかしこう考えている時点ですでにミスに引きずられているのです。
もう一つは思考の凝り固まり。
実況やインタビューの勉強をしているとそうなのですが「この事象が起きた時にはこうしなければならない。」という考え方をしてしまいます。講座内で他の方の実況を見ていても、いつも同じところに目を向けてしまいます。
例えば、サッカーで言うとコーナーキック。どちらのチームが蹴るのか。キッカーは誰で、利き足はどちらか。狙いとなる選手は誰でどこにいるのか。セットプレーの際のチームの攻撃パターンはどのようなものがあるのか。コーナーキック一つとっても考えることが沢山あります。ですが、これを毎回同じように描写すると見ている方は飽きてしまいます。まして選手によってチームによって展開によって、伝える情報の優先順位は変わっていきます。
この様に固いものを柔らかくするにはどのようにすればよいのでしょうか。
それぞれに対処法はいくつかありますが、そのうちの一つが『現状を受け入れること』だと感じています。起きてしまったミスは取り戻すことが出来ない。実況やインタビューが定型文のようになるのはまだ、応用力が身についていないから。振り返りの指摘がいつも同じ部分になるのは、新たな部分に目を向けられていないから。
このように自分の力量を把握することが大切になります。
おそらくこれがアナウンサーとしての過渡期なのかもしれません。
若さは眩しく、当時出来ていたことが出来なくなっていることもあります。ですが、若いころの自分には今の自分の仕事はできません。
きちんと今の自分を見つめ努めていくことで新たな気づきを得て先に繋げることができる。そして、考えを柔軟にし多様化させることで、未来の自分を作っていくのだと考えています。
2022年09月02日 20:42