3月11日オンライングループレッスン
監督・選手インタビューでは、皆さんはどんな話が聞きたいでしょうか。
監督や選手の戦術的な話が聞きたい。交代の意図を聞きたい。得点シーンの感情、もしくは得点につながるプレーのこと。人によって聞きたい話、知りたい情報は全く違います。
それと同様に監督、選手側も話したい内容や喋りやすい内容は異なります。
普段、皆さんも「この話を喋りたい!この話題について聞いてほしい!」といったことがありますよね。
気心の知れた仲なら「この人は映画が好きだから、新作映画の話をしてみよう」とか「仕事が大変そうだから、話を振って愚痴を聞いてあげようかな」など、手に取るように分かります。相手も自分を理解してくれている質問だと答えやすいですし、話しやすいでしょう。
ですが、これが初対面の人相手だとどうでしょうか。
どんな質問が好みか分かりませんし、どんな返答がくるかも分かりません。
しかし、それこそがインタビューなのです。
初対面の監督や選手に対して何を聞き、どんな質問の仕方をするのか。質問内容も勿論ですが、順番や聞き方も大切になってきます。
例えば試合後のヒーローインタビュー。興奮状態にある選手に対してどの質問からぶつけるのが正解なのか組み立てが重要になってきます。
自分の中で「まず、ゴールシーンの気持ち。ゴールシーンで選手同士の連携が上手くいっていたように見えたから、そこにひっかけてチーム情勢も聞きたい。あとは、今日の試合内容について。次節は重要な試合だからそこについての意気込みも。」と質問内容を考えます。その上で過去に見た選手のインタビューを思い返しながら、どのような聞き方が適切なのか。データを見返して質問内容と矛盾していないかなど準備をします。
ですが、実際にインタビューをしてみると、どうでしょう。予想していた返答と違うことなど往々にしてあり得ます。
そのような時の対応を今回、森田さんもお話して下さいました。
「自分の中でこの質問はあとにしようと思っていたけど、一問目の返答で出たので先に持ってきた」「返答が長くなったので、聞きたい質問を二問目に全部入れた」など、実際の森田さんのインタビューを参考に臨機応変な対処方法を教えてくださいました。
それ以外にも、森田さんには監督や選手を理解する上での練習方法や質問の意図など細部に至るまでご教授頂きました。
今回の記事冒頭に「どんな話が聞きたいでしょうか」と質問しましたが、その回答と同様に「どんな話をしたいか」も千差万別に回答があります。
視聴者の「聞きたい」。監督・選手などのインタビュイーの「話したい」。その狭間で仕事をするのがインタビュアーなのかな、と考えさせられた講座でした。
そして「聞きたい」「話したい」の両方を踏まえた質問をするには、試合や選手情報などは勿論、インタビュー時の様子などの研究が欠かせないのを学び難しさを感じた日でもありました。しかし、質問がはまった時、監督や選手が嬉しいだけでなく、視聴者である自分も「気持ちが聞けて良かった!」と感動することを知っています。だからこそ、そこを目指して精進していこうと改めて思いました。
2021年03月14日 22:08