「5月27日オンラインレッスン」
今回はマンツーマンのオンラインレッスンで座学を中心に野球実況について学んだことをご紹介します。
まずは高校野球の実況をテーマに学びました。
学んだことの一つにポジティブな伝え方を心がけることを重要なポイントとして挙げられました。例えばショートがボテボテの当たりに前進した結果ボールをはじいてしまい、ランナーが出たとします。記録はエラーです。これをただ「ショート○○君、エラー」と伝えるのではなく、「ショート○○君、キャッチはできませんでしたが積極的に前に出て捕球を試みました!」とポジティブなポイントを加味して伝えます。こういったポジティブな言葉を生み出すうえで、日常生活から物事に対してプラス思考でとらえていく必要があると学びました。
自身の普段の言動を振り返ってみると、ネガティブな考え方や言葉がチラホラ。特に身近な相手に対して投げかける言葉ほどポジティブを心がけて過ごそうと感じた次第です。
また今回の授業では「プロセス」という言葉が一つのポイントになりました。
スポーツの実況というと瞬間、瞬間をどう伝えるかが重要だと思われるかもしれません。私もそうだと思っていました。もちろんその瞬間の動き、状況を正確に伝える必要はあるのですが、そこに至るには必ずプロセスがあります。どういった流れでこのホームランが生まれたのか、三振に至ったのか。それはイニング中の出来事が原因かもしれませんし、一試合を通して徐々に変化していった流れが原因かもしれません。もっと広く見ればシーズン中、大会期間中を通して積み重ねた結果が劇的な一瞬につながっているのかもしれません。
この「プロセス」という点で私が後悔している経験の一つに、高校野球の実況でのあるワンプレーを思い出します。
夏の県大会初戦で、グラウンドが他クラブと併用のため外野守備練習をあまりできなかったチームの選手が、その試合初めての外野フライをきっちり抑えてアウトにしました。グラウンドの情報は頭にあり、「今のプレーを褒めたい」と思いながら、ただアウトにしたことしか伝えることができませんでした。劇的なシーンでも、興奮の一瞬でもありませんが、初戦の緊張感がある中での外野フライ、それを堂々とアウトにしたことは該当のチーム、選手にとっては大きなポイントだったはずです。強豪だけではなく、すべてのチームにこういった「プロセス」があって、一つ一つのプレーに反映されているのだと痛感しました。ただ目の前の出来事をなぞるのではなく、「プロセス」を実況が把握した上で言葉を紡ぎだす必要があると学びました。
言葉がきっかけとなった悲しい出来事をニュースでよく耳にします。ニュースを見るたびに感じるのは言葉のもつ影響力とその責任の大きさです。言葉を扱う仕事を志す者として、ただ漫然と言葉を発するのではく、気にしすぎるくらい注意して伝えていかなければいけないと改めて考えさせられました。
2020年05月28日 00:26