「5月22日オンラインレッスン」
スポーツアナウンサーを目指す皆さん、いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。
今回はマンツーマンのオンラインレッスンで座学を中心に野球実況のいろはを学んだことについてご紹介します。
まずは初級編。
野球実況をするうえで、基本的な情報を適切なタイミングで伝えるという点がポイントとして多くありました。
例えば今まさに試合が行われているとして、多くの野球ファンにとって一番知りたい情報はなんでしょうか。おそらく現在のスコアを知りたいという人が多いのではないでしょうか。いつ放送を聞き始めた、見始めた場合でも両チームのスコアがわかるように繰り返し伝えていくべき情報となります。こういった頻繁に伝える必要がある情報以外に、守備でナイスプレーをした選手を次の打席で褒めたり、スコアが動いた際にはすぐに変化したスコアを伝えたりと、タイミングを逃さずに必要な情報を入れることも求められます。
自身の失敗体験として実況練習をした際に、得点シーンは見せ場ということもあって、チャンスで打ったバッターのリアクションやその打撃のすごさを伝えたくなるあまり、スコアの情報がすっかり抜け落ちていたということがありました。
プレーの細かな描写はもちろん必要な情報ですし、プロのプレーのすばらしさをなんとか届けたいという思いもあります。しかしそれを優先するあまり、必要な情報が洩れてしまっては本末転倒というわけです。野球に詳しい人ばかりではなく、あまり知らない人でも現状が分かるように伝える。そういった視聴者の目線に重点をおいて学べたように思います。
中級編では高校野球の話題になったのですが、そこでは「見えないものを伝える」という言葉が印象に残りました。
目の前のプレーや状況を伝えることはもちろん必要なことですが、高校野球はそれにプラスして、学校全体にスポットを当てて伝えることが大事になっていきます。グラウンドに出ている選手たちの個性だけではなく、どんなグラウンドでどんな練習に励んできたのか、監督はその努力をどう評価して今回の大会に臨んでいるのか、野球部は創部何年目でその学校にとってどんな存在なのか、今日応援に来てくれている生徒たちはどこの部活動で普段どんな学生生活を送っているのか、応援席にいる父兄会はどんな思いで応援しているのか、などなど挙げだしたらきりがありません。
ただそういった数字だけでは判断できない情報を取材などを通じて収集し、放送で伝えることで多くの人たちの努力や繋がりを届けることができます。
スポーツ実況アナウンサーを志すものとして、アスリートのプレーを伝えると同時に、その場にいる一人ひとりのストーリーを伝え共感を生みだせるようにしていきたいと改めて感じた次第です。
2020年05月23日 00:27