3月26日アナウンススクール内容
今週も受講生ブログをご覧くださいましてありがとうございます。
先週のアナウンススクールでは、男性2人が出席し、競馬実況をじっくり振り返っていただきました。
2週間前のレッスンは、ニュースの原稿読みでした。
このアナウンススクールでニュース原稿を読むときにまず教わったのが、
「原稿読みの先に、フリートーク・実況がある」です。
ニュースであれば、そのニュースの核となる部分については、
例えば、「家事をしながら・新聞を読みながら聞いているような人にも、情報が頭に残るような読み」が求められます。
そのためには、
・原稿で最も大事なことは何か?
・何がnew(新情報)で、何がold(新ではない既知の情報)か?
(1)上記のような原稿の背景を理解したうえで、
(2)アナウンス技術を駆使して、原稿の音声表現をする。
これらを学んできました。
(1)ができていないと、字面だけを読んでしまい、
(2)ができていなければ「結果として」聞き手に伝わらない原稿読みとなってしまいます。
原稿読みは、集中しやすい部屋の中で、読むべき原稿が机の上に置かれている環境。
一方のスポーツ実況はというと、実況対象の選手・ボールが動いている環境。
時には描写する物を探しながら喋り、もちろん原稿もありません。
ニュース原稿で、最重要の「○○が~~だ」という文を伝えるとします。
その主語・述語に対して、
アクセント・滑舌を含めてあらゆることを含めてしっかり発声できる、
あるいは他の重要でないところと区別して喋ることができてこそ、
実況で注目の選手・馬の名前を、動きを「伝えられる」わけですね。
ですがこれは実況のスタートライン。
原稿読みでできたことを実況でもできるには、ハードルがあります。
その週の競馬実況の練習で録音を聞き直すと、馬の名前以外にもある部分に気になりました。
「スタートしました」「あと600を通過」「3コーナーをカーブ」
競馬ファンの方ならおなじみの、どこを走っているかを伝えるワードです。
ニュース原稿には見出しの箇所があれば、途中で大きく内容が変わる箇所もあります。
冒頭で記した、「ニュースなら『~しながら』の人に対しても伝わる読みを」の考えが頭をよぎります。
自分の買った馬券を確認している人、別のレースの検討をしている人、など「別のことをしながら」の人もいるはずです。
そういった人にも「レースが始まった!」「レースは勝負所に入った!」というような、
聞き手の印象に残るような音声表現ができているのか?
ただ言っているだけになっていないか?
原稿読みの視点から、厳しく自分の実況をチェックするに至りました。
また新たな課題が出てくることにもなりましたが、
それらを漠然とではなく、整理してクリアするのだという練習を行っていきます。
この1週間、飛び込んでくるニュースに対し、これまでとは異なる衝撃を受けておりますが、
新型コロナウイルス対策も、本番に向けても、一日一日、自分にできる精一杯のことを行います。
松下 翔