12月24日受講生ブログ
みなさま、あけましておめでとうございます。
2020年もユウセイスポーツアナウンス講座、受講生ブログをよろしくお願いいたします。
みなさまは冬休み、いかがお過ごしになりましたか。
スポーツ、私にとっては、特に男子プロバスケットボール・Bリーグでは年末年始関係なく熱戦が繰り広げられていました。
やることに夢中になっているといつの間にか新しい年になり、今年最初の中継現場でねずみ年と知ったぐらいでした。
おかげさまで、Bリーグでは、年末では21日に大阪エヴェッサとサンロッカーズ渋谷のゲーム1を、お正月は4日に大阪エヴェッサと新潟アルビレックスBBのゲーム1をそれぞれ実況中継させていただきました。
その間では、アナウンススクールは年内の通常授業が終了していましたが、
寺西先生からバスケットボール実況について個人レッスンをいただきました。
マトリクス図を使って、実況におけるバランスを考えていきました。
例えば、数字などのデータばかりの実況だとどうでしょう。どうも理屈っぽく感じるはずです。
選手やヘッドコーチの取材情報などのパーソナルな情報が欲しくなると思います。
チームや個人に関するストーリーについては、理屈さの枠を離れて共感することもできるでしょう。
試合そのものを伝える点ではどうでしょうか。
得点を決めた、防いだといった1プレー1プレーの実況はもちろん大事です。
ただ、これも「2点入った」「また2点入った」「さらに3点追加して20対20になりました」のような形が多いとどうでしょうか。
これだけでは、共感といいますか、感情が動くようなワクワクしたものにはなりません。
「2点入った」「また得点で追い上げる」「一気に3点入ってついに同点!」
プレーだけを伝えることよりも全体像を伝えることが重要になるときがあるのです。
何でも盛り上げて実況するということではありません。
細部のプレーを振り返るときには冷静さも必要です。
目の前の試合が盛り上がっているときに、実況者がその盛り上がりを視聴者の方にお伝えする、言い換えれば巻き込めるかということです。
私は論理派の人間なので、12月の中継を見ていると、突然、冷静さを優先しているシーンを確認できました。
少し前になりますが、「『点』ではなく、『線』になる実況を」と野球実況で教わったことを思い出しました。
「点から線へ」は野球だけではなく、どのスポーツでも必要なことでしょう。
各点を線へとつないでいる「流れ」「空気感」は目に見えるものではありません。
そこをうまくキャッチすることができれば、スポーツ中継には欠かせない期待感をお伝えすることができます。
今回のレッスンでは、その流れを掴むヒントを教えていただき、お正月の実況に臨みました。
このゲームでは、勝利した大阪の#5カイルバローン選手が全時間帯で活躍し、ヒーローとなりました。
試合開始後3分30秒でチームの全7ポイントを一人で得点します。
私も実況しながら気づくことができました。
この時点で「この試合ではバローン選手がポイントになるのでは」という流れは感じ取ることもできました。
ただ、攻撃と守備がすぐに入れ替わるのがバスケットボールの特徴であり、
流れに気づいたあと、どう活かしていくのかは今後の課題になりました。
そのあとのバローン選手のプレーでもそうですが、解説者さんとの会話で話題になったり、中継の映像における姿であったり、様々な場面でその空気感を温めることができれば、
試合が終わってチーム最多の23点を取り、ヒーローとなったときに華やかさが増したと感じます。
そして、盛り上げ方、実況のバランスの取り方以外にも、貴重な本番の中からはその他の課題もたくさん見えてきます。
その部分をクリアにしていき、正確でかつ楽しいと思っていただける中継を目指します。
松下 翔