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高校野球実況(初実況)を終えて

7月の3週目(9日~)と4週目(16日~)に夏の高校野球の奈良大会、三重大会の実況を合計4試合、担当させていただきました。
そして、これが放送のデビューとなりました。
テレビの一人実況、ラジオの一人実況、テレビの解説者がいる実況と初づくしのデビューになりました。
デビューにあたり、私の知らないところで様々な方のお世話になりました。
実況担当させていただくことになった、寺西先生、奈良テレビ、CTY-FM、CTYの皆様には厚く御礼申し上げます。
そして前日に励ましメールを下さったり、舞洲まで実況練習に来ていただいたり、教室でアドバイスをいただいたり、さらには実況後にお祝いを下さったりと講座のみなさんにも本当に感謝の気持ちです。

この冬から本格的に野球の実況練習に取り組みました。
野球実況は初めてからのスタート。
まずは「ピッチャー投げた」を動作と合わせる、ストライクかボールを早く言うなど、基礎の部分から始まりました。
ただ、基礎=簡単・すぐできるのではなく、基礎の難しさ、大事さを知りました。

4月には選抜高校野球がありましたので、テレビ、ラジオを録画、録音して、フォーマットやいろいろな表現を勉強するように。
ここで悪い方に影響を受けて、実況が早口になってしまったり、自分の実力不足に気持ちが弱ってしまったりしました。
そんな逃げ出しそうな私を「悩むより慣れろ」と後押しして下さったのが寺西先生でした。
どうしようもなく救いようのない状態の私を救っていただき、本当に感謝しています。

5月には自分の状況、ペースにあわせて練習しました。
ゆっくり、丁寧に実況の練習をしました。
講座では練習の成果も少しずつ見られるようにもなってきました。

6月には講座の先輩と一緒に社会人野球ですが、実際に球場に赴いて実況練習を行いました。
中継ではテレビではなく、試合を見て行いますから、大きな刺激にもなりました。

5,6月は7月の本番に向けての月ですから、講座の中で先生や他の受講生からのアドバイスはもちろん役にたちますが、○○ができるようになったというのは、自分の中でも少しずつ自信となりました。
ただ5,6月が常に上向きだったかというとそういう訳でもなく、私にとっての大きな課題もありました。
自分の実況を実況中に評価するということでした。
私の性格が完璧主義のようなところのせいか、自分がミスをした、上手くいかなかったことがあると、「しまった…」となってしまい、その後に影響が出てしまうのです。
これの問題点は一つに、自分の実況に気にしていて、そもそも試合に集中していないこと、
もう一つは、評価は自分ではなく、他人がするので自分で評価する意味がないということです。
これについては、試合のプレーを伝えることに一生懸命になろう、試合を楽しもうとアドバイスをもらいました。

迎えた本番の7月。
最初の担当が奈良大会の2日目(平城高校 対 奈良高専)だったので、1日目の放送を現地で見学しました。
現場様子や中継の流れ、テレビ実況の不安点を確認、質問し、いざこれからという緊張も出ましたが、不安の方も軽くなりました。

本番の日はなでしこリーグでの場内放送の経験のおかげか、極度の緊張状態にはなりませんでした。
本番がスタートして、オープニングの原稿、お知らせの原稿を読みます。
場内放送では自分の声が場内に響き渡りますが、放送ではヘッドフォンから自分の声が聞こえてくるだけなので、非常に不思議な感覚でした。
ただ、冷静だったかというとそうではありません。
原稿を読んでからスタメン紹介までの1分間、フリーの時間がありましたが、まともに実況することができませんでした。
頭の中の整理がつかず、何を実況すればいいのかわからない状態、結果、不自然に黙る場面ができてしまうという恐ろしい1分間でした。
オーダー表を見てスタメンを読み上げるときも、オーダー表の数字をポジションに読み換える(4→セカンド)のも非常に難しく感じて、スームズにはいきませんでした。
緊張が様々なところに影響しているのが分かりました。
手元のオーダー表などもきれいに整頓されておらず、慌ただしく、落ち着いていない状況でのスタートとなりました。

そんな状況だからこそ、1回の表で選手名を間違えるというミスをしました。
1回表は無事にできれば。。。その中で「放送事故だ…」と、生きた心地がしませんでした。
そこで試合に助けられました。
直後、3番が出塁、1球目から盗塁成功、2死2塁で4番バッターの場面ができあがります。
得点の可能性・大の場面、気持ちは試合に完全に向きました。
結局、得点は入りませんでしたが、2回の表にも得点圏にランナーが進み、とにかく目の前の試合だけに集中して実況することができました。
その後責任者の方からも一声いただき、非常に落ち着くことができました。

以降、3回あたりから変な緊張もなくなってきたと思います。
3回~7回表まで得点圏にランナーが出る展開、4回ウラに2点先制すれば、5回表に2点入ってすぐ同点、6回ウラに1点勝ち越せば、すぐ7回表に同点という試合になりました。
目が離せない、熱い試合展開に助けられ、実況では自然と試合に集中できました。

3-3同点の9回ウラ1死3塁で奈良高専が初球セーフティースクイズで劇的なサヨナラゲームとなりました。
悔しいのはセーフティースクイズの描写ができなかったこと、声が裏返ってしまったこと。
前者は肝心なところで予測を立てられなかったことに尽きるのですが、後者は盛り上げ方が足りなかったことによるもの。
9回ウラ3塁まで来て、実況側の煽りが薄く、結果的に声のトーンが普通のまま一気に上げようとして裏返るというお手本どおりの失敗とのことでした。

実況を終えた後は、マラソンを完走したような状態。
まさに息もあがって、ヘロヘロでした。
9回の失敗は持続力の無さかもしれないと感じました。

初回以降でもアウトカウントやボールカウントの間違い、選手名がパッと出てこないなどのもったいないミスがあり、後から自分自身かなり落ち込みましたが、なんとか初めての実況が終わりました。
練習期間の課題であった、試合に集中できたのは一番大きかったように思います。
両校による白熱した試合のおかげなのはもちろんです。
しかし、もう一つは、1日目の見学の際のアドバイスでした。
中継の現場が初めて、一体どこを見て実況すればよいのか不安に思っていたところ「目の前のモニターより生の試合を大切にしています」というアナウンサーの話を聞き、私は「もう生の試合から目を離さないぞ!」と中継に臨んだのです。
それが上手く最優先事項として機能し、試合により集中して伝えようとしたのだと思います。
もちろん、弊害もあり、試合後「ワンサイドゲームでは試合だけだとつまらなくなってしまいますよ」「カメラが打者を映しているのに投手の話しをされると噛み合わないです」と指摘をいただきました。
ただ、自分の中でぶれない軸を持っていたのは良かったのだと思います(もっともこれを学んだのは全中継が終了した27日の講座なのですが、、、)。

初実況は大きな第一歩になりました。
次のラジオ実況では試合開始までの長い時間のフリートークを上手く話せたよ、と評価をいただければ、1つの回に11点が入りてんやわんやになる、プレーを見失うなど良いところも悪いところも新たにでてきました。
その次の解説者がいる実況でも大きな課題が生まれました。
2017年の野球実況はこれで終わりましたが、ここで終わりではありません。
講座の振り返りを受けて、せっかくいただいた機会、どうすればもっと上手くできたか?
失敗したら、次はしない!どうすればいいか?
それが皆様の御礼になると思い、深く突き詰めて精進したいと思います。

松下 翔

2017年07月31日 09:11