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特別な一日

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今週も受講生ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
 
引退試合。
それは選手にとってチームにとって、そしてファンにとって特別な一日です。
まだサラリーマンをしていたころ、大好きな横浜DeNAベイスターズ、三浦大輔投手(現監督)の引退試合を観たいがために、観戦チケットも取れていないのにスーツ姿のまま新幹線に飛び乗って京都から横浜スタジアムまで駆け付けました。
結局入場は叶わず、それでもスタジアム前のパブリックビューイングにかじりつき、番長・三浦大輔投手の一球一球に胸打たれ涙したことを鮮明に覚えております。
おそらくあの時同じ空間にいた人はみな同様に、三浦投手の最後のプレーを目に焼き付けようと、普段の試合とは違った特別な思いでご覧になっていたのではないでしょうか。
 
時を経て実況アナウンサーとなった私は、バンビシャス奈良 対 愛媛オレンジバイキングスの一戦で奈良・藤髙 宗一郎選手の5人制プロバスケットボール選手としての引退試合を担当することになりました。
藤髙選手のここまでのストーリー、今日の試合にかける思い、ラストプレー、いろんなことを想像し、準備して実況に臨みました。
試合終盤に再び出場機会を得た藤髙選手はラストプレーとなった2本のフリースローをしっかりと決め、Bリーグでの398試合目、通算1329点目を記録し、花道を飾りました。
印象的だったのは藤髙選手がフリースローを放つ際の無音の場内。
普段のフリースローならば自然と起こる相手側からのクラップノイズがこの時は一切なく、決めた際には会場全体が拍手に包まれ、伝えながら目頭が熱くなりました。
 
選手、スタッフ、ファン・ブースターが一体となって会場の雰囲気を作り出した中で、自分の実況はどうだったかを振り返ってみると「バランスのとり方」にもっと気を配るべきだったと痛感しました。
藤髙選手が登場したのが試合時間残り1分35秒、攻守が入れ替わりながら試合終了へと進む中で、「普段通り」両チームに対して偏りが出ないようバランスを考えながら伝えていました。
ただ冒頭に書いた通り引退試合は「特別」な一日です。
この時間は藤髙選手のプレーを攻守に渡りしっかりと伝えるべきだったように思います。
もちろんこれは愛媛のプレーをないがしろにしていいというわけではありません。
藤髙選手のことを伝えた後に、改めて愛媛のプレーを讃える時間を作ることが大事です。
 
その最たる部分が残り2秒。
愛媛の本多選手、長谷川選手が同時に藤髙選手へファウルをしに行ったシーン。
既に愛媛のチームファウルが5つを超えており、最後に何とか藤髙選手に得点機会を与えたいと、愛媛側の粋な計らいであったと考えられます。
このシーンを私があの場でしっかりと理解しきれていれば、仮に藤髙選手のプレーを厚めに話していたなかでも、愛媛の選手たちの思いも伝えることができ、どちらの良きところも伝えるとてもいいバランスのとり方ができたのではないかと思います。
 
 
ただただ攻守の切り替えだけで「バランスを取る」のではなく、今大事にすべき点は何かというところにもっと焦点をあててその中でバランスが取れた実況ができるように精進して参ります。
 
菅江 隆一
2024年04月30日 10:48

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